教員紹介：髙橋 絵里香

医療人類学・福祉人類学・老年人類学。フィンランドの島嶼部における高齢者ケア、エイジング。

高校生の頃に『ガダラの豚』（中島らも著）というホラー小説を読んで、文化人類学者になってアフリカで呪術研究をしてみたいなと思ったのがきっかけです。

ただ、大学で実際に人類学を学ぶようになって、呪術を研究したからといって殊更にエキサイティングな現象を目撃するわけではなく、呪術的なものもまた人々の日常の一部に過ぎないのではないかと思うようになりました。

それでも、卒業論文は地元で病治しの呪術的な実践を調査しようと思ったのですが、当時暮らしていた台東区は23区でもっとも高齢化率の高い地域だったので、いつのまにか高齢者ケアの調査をしていました。

そのまま老年人類学を研究するようになり、現在に至ります。思えば人間にとって年を取るとはどういう経験なのかという問いに対する確たる答えはないわけですから、呪術研究と同じくらい謎めいた現象について考え続けているなと感じます。

• 社会福祉の新自由主義的構造改革にともなうサービス組織の再編成、デジタル技術の導入
• 過疎地域での在宅介護サービスの供給
• 高齢者のハウジング・ヒストリー
• 夏小屋にみる世代間関係
• 私営フェリーにみる群島地域のインフラストラクチャー
• 保健医療福祉制度改革（ＳＯＴＥ改革）にともなう地域の再編成

学部生なら…

ヴィータ：遺棄された者たちの生

著者：ジョアオ・ビール

写真：トルベン・エスケロゥ

訳者：桑島薫

訳者：水野友美子

出版社：みすず書房

発行年：2019年

大学院を目指す人なら…