授業一覧

今年度開講している学部授業科目は以下の通りです。

文化人類学基礎  
概要

文化人類学の基礎的な概説。文化人類学講座の教員全員が順に担当し、文化人類学の研究領域、文化概念、研究方法などに関する講義を行う。

担当講師

小谷真吾、高橋絵里香

文化人類学調査概説A,B  
概要

文化人類学においてフィールド調査は単なる方法論という以上の実践的意味を持つ。この授業では、フィールド調査の方法としての特性を概念的に説明することから始め、手紙の書き方からインフォーマントチェックに至るまでのフィールドワークの実践的進め方を示していく。

担当講師

小谷真吾、高橋絵里香

文化人類学研究法A,B  
概要

文化人類学の各理論の特徴を把握しながら、その変遷と系譜を追う。現代の自社会にその理論をあてはめてみることで、批判と再評価を行いながら理解していく。

担当講師

高橋絵里香、石野隆美

文化人類学概説A  
概要

文化人類学の古典的民族誌を購読し、その発想と方法について学んでいく。主に、下記の二冊を取り上げる。

・エヴァンズ・プリチャード 1997(1940)『ヌアー族』平凡社ライブラリー

・クロード・レヴィ=ストロース 2001(1955) 『悲しき熱帯』中公クラシックス

担当講師

浜田明範

文化人類学演習A,B  
概要

前期では「移動/モビリティ」という切り口から文化人類学的な理論、手法、視座の今日的展開を学ぶ。以下の文献を輪読し、各受講者の研究テーマに引き付けて議論を深める。 古川不可知編、2024『モビリティと物質性の人類学』春風社。

後期では文化人類学専攻3年次学生を対象に、卒業論文のための研究計画作成を指導する。これまでの講義および演習で学んだ視点と知見を生かし、現代の多様な現象に対して文化人類学的な考察を行うための研究計画をたてる。

担当講師

石野隆美、小谷真吾

文化人類学調査実習A,B,C,D  
概要

フィールドワークは文化人類学の重要な調査方法である。この授業では、担当教員の指導を受けながら、フィールドワークの計画、実施プロセスを学生自身が体験する。こうした準備活動に基づき夏季休暇中に1週間ほどのフィールドワークを実施する

担当講師

高橋絵里香

医療人類学B
概要

近年、「ケア」という概念が注目されている。特にケアの倫理はフェミニズムが生み出した政治思想であり、道徳をめぐる議論にインパクトを与えている。一方、ケアの人類学は、そうした流れに呼応しつつも、より実践の観察に重きを置く形でこれまで発展してきた。そこで、この授業ではケアの倫理論とケアの人類学を横断的に輪読していくことで、二つの領域の連続性と差異について議論していく。

担当講師

高橋絵里香

生態人類学A
概要

生態人類学は、狭義の「生態学」的方法を用いた人類の多様性に関する研究、人間の生業活動に関する社会文化的研究、広義の「生態学」的問題意識に基づいた環境問題に関する研究など、幅広い内容を持つ学問である。「生態人類学a」では、海外における調査、研究を題材に講義を展開する。生業の多様性、環境問題、人口問題などの問題に関心をもつ学生を歓迎する。

担当講師

小谷真吾

生物人類学概説B
概要

人類学は、大きく文化人類学と自然人類学に分かれている。文化人類学を深く理解していくためには、もう一方の自然人類学の知識も不可欠である。本講義では、自然人類学の主な研究テーマについて概説的に紹介を行なっていく。

担当講師

小谷真吾

民族誌B
概要

この授業では、ダニエル・ミラーの『消費は何を変えるのか?』とマイケル・タウシグ『美女と野獣』を輪読していく。参加者は担当回についてコメントペーパーを作成し、ディスカッションを主導する。

担当講師

高橋絵里香

政治人類学
概要

東南アジアを中心とした世界各地の事例を通じて、政治に関する文化人類学の基礎理論と概念を学びます。各国の政治体制や外交関係に関する授業ではなく、1)儀礼や交易、生業や親族関係といった慣行が、特定の社会の政治的関係といかに結びついてきたのか、2)国家の政策が私たちの現実に対する認識や日常的なモラリティ(モラル)にいかなる影響を与えているのかを学ぶ授業です。

担当講師

康陽球

映像人類学
概要

文化人類学は、「フィールドワーク」と呼ばれる経験的調査を通じて、多様な地域の文化現象や人々の生き方を探り、他者を理解する作業のなかで自己について問い直す学問である。だが、「他者の生きる世界に参入して記録し、他者について表現を試みる」という営みは、人類学に限られるものではない。眼の前で起こる事象をいかにして捉えるかは、どのような媒体でどのように記録し、誰に向けてどのようにその記録を公開・共有するかという表現形式をめぐる問題と表裏一体である。 本授業では、「生をかたどる技法―記憶・記録・継承の間」をテーマに、文化人類学やドキュメンタリー映画等の記録映像に加えて、演劇や現代アート等の仮構的な表現実践や、映像を活用した展示・ワークショップといった観者を巻き込む場づくりの事例等を取り上げ、他者と自己の経験や記憶を記録/表現し、さらに時空間的に遠い他者とも共有/継承する方法について考えていく。 授業は次の2部構成で行う。 第1 部の「人類学における記録と表現の共創」では、その歴史的変遷から記録と表現実践をめぐる政治性の問題、近年隆盛しつつあるsensory mediaや映像インスタレーション、「エスノ・フィクション」や「エスノ・ミメーシス」と呼ばれるような「仮構的再現」の取組みに至るまで、多様化・拡張しつつある人類学的表現実践について概観する。 第2部は「災厄の記録の先へ」と題し、2011 年以降、膨大な数の映像作品が制作されてきた東日本大震災(3.11)を中心に、過去の災害や戦災の経験や復旧・復興過程を記録/表現、継承する様々な取り組みを扱う。被災当事者が撮影したセルフドキュメンタリーや、現代美術家による映像・パフォーマンス・絵画等のアート作品、さらに発災から10年を機に東北各地に開設した3.11伝承施設の展示などについて、各媒体の特性を生かした表現実践について多角的な視点から考察していく。 最終的には、履修者と相談しながら、実際に映像アーカイブを活用した展示や上映会等の企画・制作等を試みたいと考えている。 

担当講師

丹羽朋子

ジェンダーの人類学
概要

人類学的なジェンダー研究においては、世界各地における社会文化的に構築されたものとしてのジェンダーの諸相にアプローチするとともに、ジェンダー視点からの研究が進められてきた。近年、社会的にジェンダーをとりまく様相が変化しつつあるようにみえても、ジェンダー人類学が問うてきたことは依然として意味を持ち、同時に、そうした課題は「遠い」世界の話ではなく、私たちの身近にもあると考えられる。本授業では、これまでの人類学的なジェンダー研究の蓄積について文献(主として『ジェンダー人類学を読む』)を購読しながら学んだうえで、各自が関心のあるテーマや身近なトピックについてジェンダー人類学の視点から考えることを試みたい。 

担当講師

松前もゆる

人文科学専門英語
概要

This course will discuss world cultures. Students will read short articles each week. The articles will be from ethnographies. Ethnographies are in depth accounts of a society. Students will conduct field projects and learn about culture. Class activities will include pair work, group discussion, group activities, some lecture, films, individual and group projects, and other interactive activities. Because anthropology is a broad field, after the first few classes, students can select topics for a few classes. Students can choose their project topic. Homework for each class will be a reading assignment and to write a reflective journal discussing what you have learned and evaluating the reading and class activities. Class time will mostly be student interaction and some teacher lecture.

担当講師

Matt Wickens

卒業論文特別演習  
概要

卒業論文の完成に向けた具体的指導を行う。

担当講師

小谷真吾、高橋絵里香